まなびラボ創設のきっかけ
私がキャリアカウンセラーとして憧れていた人が、学び続けることを諦めようとしていたことです。
2020年2月頃でしたでしょうか。
「こばちゃん、私もう学び続けるのを止めようと思う」と。地方に住むその方は、フェリーに乗って何度も大阪まで研修を受けに行っていました。宿泊費や交通費を考えると、定期的に学び続けるのは難しく、自己研鑽を断念したいとのことでした。
とても悲しく悔しかったことを今でも憶えています。なぜ地方に住む者がこんな思いをしなければならないのか。どこにぶつければ良いのか分からない憤りや、やるせなさも同時に感じていました。
私はどうすればこの方の役に立てるだろうか。
考えた結果、これ まで東京や大阪へ研修を受けに行った際にお世話になった先生方の顔が思い浮かびました。講師おひとりお一人に、地方に住むキャリアコンサルタントが学び続けられる場を創りたい。どうかお力を貸して頂けないかとお願いしていきました。 地方在住者の学びの場がないことについて、以前から同じことを感じていた講師もいらっしゃいました。そのような方々のお役に立てるなら是非！とのお返事をいただき、快諾して下さった講師陣がまなびラボの講師紹介のページに掲載されている方々です。
構想から2カ月でオンラインコミュニティが立ち上がり、これまで累計すると約40名の方々が会員になって下さり、共に学びを深めてきました。 その数か月後にコロナが大流行し、今ではオンラインが当たり前になりました。
コミュニティを創設しようと行動していた時、反対や批判の声もいくつかありました。 その声を真正面から受ける度に辛すぎて、何度も泣きました。立ち上げることを諦めかけた時もあります。 でも、ここで私が諦めてしまったら地方に住むキャリアコンサルタントの方々が成長する機会を奪うことになる。可能性を捨てることになる。そう考えた結果、創設に踏み切りました。
私一人では到底成し遂げることはできませんでした。 講師陣はもちろん、会員制のコミュニティについて相談に乗って下さった方、創設から安定稼働するまで関わって下さった運営メンバーの方々など、周りの人達の協力があったからこそ、まなびラボが誕生したのです。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
何かを諦めることや止めること、できない理由や言い訳を考えるのは簡単です。 私はコミュニティ創設を通して、「どうすればできるか」を考えることの大切さにも気づくことができました。
現在、会員さんは10名程度ですが、他にはない学びを企画したり、アウトプットする場を提供したりしています。また、定期的にリアルでお会いして会員さん同士の交流を深めています。他にも、会員さん自らが「こんなことをやりたい」「これを練習したい」という声を大切にしながら、皆で主体的に学び続けています。 オンラインとはいえ一期一会ではないからこそ、適度な距離感を保ちながらお互いを深く信頼し、理解し合える仲間だと思っています。
この場を必要としているキャリア支援者がいる限り、まなびラボはここに存在し続けます。 助けたい人をいつでも助けられるように、私たちは自己研鑽をし続ける覚悟と行動が必要なのです。
小原 裕美